DV(家庭内暴力)について
DV(ドメスティックバイオレンス)は、家庭内暴力と訳されることが多いように、一般的には、家庭内で行われる妻や夫に対しての暴力のことをいいます。
暴力とはいっても、身体的暴行やレイプなどの性的暴行といった物理的・直接的な行為だけでなく、暴言やストーキング行為など、精神的にストレスをかける行為も含まれます。
また、家庭内暴力と訳されてはいますが、同居や婚姻関係、親族関係の有無を問わず、元夫婦や恋人同士の間で行われる行為もDVとされます。
典型的には家族内で、あるいは家族ではなくとも交際中の恋人同士といった狭い人間関係の中で生じる問題であるため、DVは外部からは極めてわかりづらく、犯罪として発覚するのは全体のうちごくわずかだといわれます。
DVの種類と具体例
DV行為としては以下のようなものがあります。
身体的虐待を受けている場合には、被害を認識しやすいものの、精神的虐待は外から見ても分かりにくく、被害者自身でさえ、それがDVだと気が付かない場合が多々あります。
少しでも「もしかしたら」と感じた方は、まずはご相談ください。
身体的虐待
身体的虐待とは身体に対する一方的な暴力行為をいいます。
具体例
精神的虐待
精神的虐待とは相手にストレスとなる行為を繰り返し行うことです。言葉の暴力が主なものですが、相手を無視したり、相手が大切にしているものを壊したりする行為も、精神的虐待になります。
具体例
性的虐待
性的虐待とは、相手の合意を得ずに一方的に行う性的行為をいいます。たとえ夫婦であっても、合意なく性的行為を強制することは許されません。
具体例
経済的暴力
経済的暴力とは、経済的な面において相手に苦痛を与えることです。
具体例
社会的隔離
社会的隔離とは、自分以外の外部との交流を絶たせるなど、社会から隔離しようとする行為を指します。
具体例
DV被害者の心理
DV被害を受けている女性の多くは、上記のような虐待、特に暴力を受けている最中は恐怖を感じていても、それ以外のところで男性が優しい側面を見せたりすると、「暴力を振るう彼は本当の彼ではない。本当は優しい人なのだ」と思ってしまいがちです。
結果的に、長期間にわたって暴力を受け続けることになり、暴力を振るわれることへの恐怖や、逃げることのできない状態を受け入れてしまい、暴力から解放されることを諦めるようになってしまいます。
「私が我慢していればいい」「逃げられない」という心理に陥り、ますます精神的に追い詰められるという悪循環に陥ってしまうのです。
男性のDV被害について
男性がDVの被害に遭うことも決して珍しいことではありません。
しかし、妻や恋人からDVを受けているということ自体、「軟弱、男らしくない」と思われるのではないか、という昔ながらの男性観から引け目を感じ、第三者に相談しにくいところがあります。
また、男性のDV被害が決して珍しくないとはいっても、全体の中では男性被害者が占める割合は小さく、行政機関等の相談窓口も女性被害者を想定して相談員が女性しかいないことがほとんどで、相談したくてもどこに相談すればいいのか分からないという問題もあります。
一人で悩むのではなく、まずはご相談ください。一人では解決できないこともあるのです。
DVの相談
命の危険を感じたら警察に相談
DVによって命の危険を感じたら、すぐに警察に通報してください。
DVセンターに相談
配偶者暴力相談支援センター(DVセンター)が各自治体に設けられています(神奈川県の場合、神奈川県立かながわ男女共同参画センター(かなテラス)DV相談窓口)。
配偶者(事実婚を含む、被害者が男性でも可)の暴力(身体的暴力だけでなく言葉の暴力も含む)について相談をすることができ、助言や支援を受けることができます。
センターが、民間のシェルターなどに委託して、被害者やその子どもを一時的に保護することもあります。
弁護士に相談
離婚や慰謝料請求を考えたときは、弁護士にご相談ください。
離婚や慰謝料請求を考えていなかったとしても、将来的にそのように考える可能性もあります。
DVを受けたときは、念のため証拠を残しておくことが大事です。
DV防止法に基づく保護命令
配偶者の暴力について、法律は、「保護命令」という制度を設けています(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律第10条以下)。
これは、裁判所が行う決定で、被害者に近寄ることを禁止する命令です。
被害者への接近禁止命令の実効性を確保するため、被害者の子どもや親族への接近禁止命令、同居している場合には加害者に出て行くように命じる退去命令、被害者に電話、FAX、メール等をするのを禁止する電話等禁止命令がなされることもあります。
保護命令を得るためには、前提として、DVセンターや警察に相談していることが必要です。
また、配偶者から身体的暴力を受けるおそれが大きいと認められる必要があります。従って、保護の対象は、身体的暴力を受けている場合であり、心理的暴力の場合は含まれません。
さらに、夫婦(事実婚を含む)であるか、同居して夫婦同様の生活をしている交際相手からの暴力が対象となります。
離婚したけれども、夫婦であったときに暴力を振るわれていたという場合も対象ですが、離婚後に暴力を振るわれたという場合は保護命令の対象になりません。
裁判所がした保護命令に違反すると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
DV(家庭内暴力)でお悩みの方や離婚をお考えの方は、お早目に弁護士までご相談ください。
最新トピックス・解決事例
-
解決事例2024/07/24
-
解決事例2023/11/16
-
解決事例2023/09/17
-
解決事例2023/09/16
-
解決事例2023/07/25
-
解決事例2023/06/23
-
解決事例2020/03/04
-
解決事例2019/12/09
-
解決事例2019/10/11
-
解決事例2017/09/06