不倫夫から離婚裁判を起こされた妻が勝訴した事例

依頼者属性 女性 50代 (川崎市在住)
相手方属性 男性 60代 (神奈川県外在住)
子どもの人数 1人(成人)

【依頼の経緯】

 夫から離婚訴訟を起こされた妻からの依頼。

 夫は数年前に離婚調停を起こしており、その時も当事務所が対応した。離婚調停は不成立で終わり、別居期間6年を経て、夫が離婚裁判を起こしてきた。

【当事務所の対応】

調停段階

 夫の不貞の証拠があったため、断固とした姿勢で臨んだ。

 夫が提案する条件も妻にとって有利とはいえなかったため、離婚を拒否して調停は不成立となった。

 なお、夫の年収に変動があり、婚姻費用分担請求調停も2回行っていた。

離婚裁判

 妻側から不貞の証拠を提出し、「夫は有責配偶者であり、別居期間も短いから、夫の離婚請求は認められない」と主張した。

 これに対し、夫側は

  • ●別居前から破綻していた
  • ●不倫相手の女性と付き合い始めたのは別居の後である

という主張をした。

 そこで、妻側からは、 

  • ●別居前は客観的にみて破綻しているといえるような状況ではなかった
  • ●不貞は別居前からである

という反論をし、探偵事務所の調査報告書以外にも、別居前後の夫婦のメールでのやりとり等を証拠として提出し、詳細に立証した。

 また、夫側は、「離婚しても妻は経済的に困窮しない」という主張もしていたため、これについても証拠を付して反論した。

【結果】

家庭裁判所で妻勝訴の判決 

 妻側の主張が認められ、家庭裁判所で妻側勝訴の判決(「夫の離婚請求を認めない」という判決)が下された。

控訴審での和解

 夫側はこれに対して控訴した。

 控訴審(高等裁判所)で、夫側が離婚条件を再提案し、これが妻にとってかなり有利な内容であったため、最終的には妻も納得し、離婚に応じることとして、和解離婚を成立させた。

【弁護士のコメント】

調停決裂から家庭裁判所での勝訴へ向けて

 調停段階でも離婚条件について話し合ったものの、夫の提示する条件は妻にとって有利とはいえない内容でしたし、妻本人も、不倫した夫からの離婚に応じることは納得できませんでした。

 そこで調停での離婚を断わりました。裁判は当事者双方にとって精神的に負担も大きく、お勧めするわけではありませんが、相手の提示する条件が有利とはいえない場合は、裁判もやむを得ないと思います。

 ただ、夫から裁判を起こされた時点で既に別居期間が6年となっていましたので、必ず勝訴できるとはいえない案件でした。決して楽な裁判ではなく、妻の勝訴へ向けて、全力で戦いました。

家庭裁判所での勝訴により夫の譲歩を引き出す

 控訴審(高等裁判所)では、夫は大幅に譲歩し、妻にとってかなり有利な条件を提案してきました。

 家庭裁判所で妻が勝訴したからこそ、夫の譲歩を引き出すことができたといえます。

将来の更なる紛争を想定しての和解

 妻としては、控訴審で和解離婚に応じる必要はなく、その場合は婚姻関係を続けることができます。

 しかし、数年後にまた離婚裁判を起こされるでしょうから、紛争の早期解決と経済的な面を考慮して、和解離婚に応じることにしました。

 仮に家庭裁判所で敗訴していたら、不利な条件での和解に応じざるを得なかったと思います。

 和解で離婚するか、それとも和解を拒否して婚姻関係を続けるか、妻はどちらでも好きな方を選択できたのは、ひとえに家庭裁判所での勝訴のおかげといえます。 

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