審判離婚

審判離婚とは

 離婚調停を申し立てても合意できなかった場合、調停を不成立として、離婚訴訟を提起することになるのが原則です。
 審判離婚とは、例外的に、調停が成立しないときでも、裁判所が職権で離婚の審判をして離婚を成立させることです(家事事件手続法284条)。
 審判離婚は、実務上、ほとんど利用されることがありません。

審判離婚の例が少ない理由

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 審判離婚は、審判の日から2週間以内に当事者が異議申立てをすると効力がなくなります(家事事件手続法286条5項)。
 その後は、一般的には離婚訴訟を提起することになります(ただし、訴訟せずに再度の調停を申し立てることもできないわけではありません。)。
 このように、審判がなされても、当事者が異議申立てをすると審判が無駄になってしまうので、異議申立てが予想される場合(つまり、当事者が、審判の内容に不満を抱くであろう場合)は、裁判所も審判をしないのです。
 仮に当事者の一方が裁判所に対して「審判を出してください」と上申をしても、相手方が合意していない限りは、裁判所は応じないでしょう。
 当事務所が過去に扱った離婚の事案件数は数え切れないほどですが、その中でも審判離婚は、3件のみです(令和4年8月現在)。

審判離婚の具体例

 審判離婚がなされるのは、次のような場合です。

  • ・離婚の合意はできているが、財産分与等の離婚条件にほんの僅かな相違があって合意に至らない場合
  • ・当事者の一方が病気や遠方に住んでいるなどの理由で調停に出席できないが、お互いに離婚する意思があることは明らかである場合

 このように、当事者が条件についてほぼ合意していて、不服申立てがなされる可能性が低い場合に、審判離婚がなされるわけです。

 離婚訴訟(裁判離婚)については、こちらをご覧ください。


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