モラハラ夫から高額財産分与と慰謝料や解決金を獲得した事例

依頼者属性:40代女性(神奈川県在住)

相手方属性:40代男性(神奈川県在住)

子供:小学生2人

依頼の経緯

 夫からモラハラ受けている妻からの依頼。

 夫は日常的に妻のことを見下したりバカにしたりするような発言をしていた。

 夫は高収入なのに、妻に十分な生活費を渡していなかった。

 また夫は浮気もしていて、それを隠して妻に対して離婚を要求していた。

当事務所の対応

夫の財産の確認

 まず、調停を申し立てる前に、家の中にある夫の書類(通帳、クレジットカードの明細、金融機関からの手紙等)を確認するよう指示した。

 調停を申し立てると、夫が資料を隠してしまう恐れがあるからである。

不貞の証拠の確認

 不貞に関しても、調停の申立て後になると証拠をとることができなくなってしまうため、まずは証拠の有無を確認した。

 足りない点に関しては、依頼者に指示をして追加で証拠を確保した。

婚姻費用分担請求調停と離婚調停の申立て

 証拠の確認が取れた時点で、婚姻費用分担請求調停と離婚調停を申し立てた。

 離婚調停を申し立てることについては悩んだものの、妻としては、早くすっきりしたいという気持ちもあり、離婚調停も申し立てることにした。

 調停の中で、夫は当初は金融資産の開示を拒んでいたが、調停前に確保しておいた資料をもとに、口座の存在を指摘して開示に応じさせた。

慰謝料の請求

 また、夫に対して不貞の慰謝料も請求した。

 さらに、夫が有責配偶者であることを主張し(つまり、夫からの離婚請求は認められない立場にある)、財産分与・慰謝料以外に解決金を上乗せするよう求めた。

結果

 夫の資産内容や年収について争いがあり、調停の終結までに時間はかかったが、最終的には財産分与、慰謝料、解決金について、妻の納得のいく金額を得ることができた。

弁護士のコメント

 夫はいわゆる有責配偶者であり、夫からの離婚請求であれば、裁判所は離婚を認めない可能性が高いです。そして、結婚期間中に夫から支払ってもらえる婚姻費用は、離婚後に支払ってもらえる養育費よりも高いです。

 夫からすれば、離婚して不倫相手と再婚したくでも容易にできず、高い婚姻費用を妻に払い続けなければならないので、夫をギャフンと言わせることができます。

 そこで、妻からは離婚を求めず、婚姻費用をもらいつづけるというのも選択肢の1つでした。ただ、妻はまだ40代であり、モラハラ夫とは早く離婚して第二の人生に踏み出したいという気持ちもありました。

 そこで、ひとまず離婚調停を申し立てて、妻が納得できる条件の獲得を目指しました。

 夫は有責配偶者なのですから、早く離婚したければ、通常の財産分与と慰謝料の他に、解決金の上乗せは必須と考えます。

 夫が資産の開示に応じなかったり、解決金の上乗せを拒んだ場合は、離婚調停を取り下げ、夫の有責性を主張して、極力長い間、婚姻費用をもらい続ける方向に転換するという方針を立てていました。

 結果として、離婚成立で決着がつきましたが、事前に証拠を確保しておいたことと、「いざとなれば離婚は拒否する」という断固とした姿勢で調停に臨んだことが奏功したと思います。

 また、妻もまだ若く、納得のできる条件で早期に離婚できたことも良かったと思います。

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