不倫夫と長期別居のうえ高額解決金を取得した事例

依頼者:50代女性(横浜市在住)

相手:50代男性(横浜市在住)

子供:2人

【依頼の経緯】

不倫をしている夫から離婚を請求されている妻からの依頼

妻は長年、主婦として暮らしており、離婚すれば経済的に困窮することが予想された。

【当事務所の対応】
⑴ 夫が申立てた離婚調停での対応

夫は不倫しており、いわゆる有責配偶者であり、別居期間も2年程度と短期間であったため、仮に調停が決裂して夫が離婚裁判を起こしても、裁判所は夫の離婚請求を認めないであろうことが予想された。

妻としては、離婚後の生活に不安を感じていたが、他方で、不倫をした夫に対する未練はなく、離婚後の生活保障があれば、離婚に応じても良いという気持ちであった。

そこで、調停において弁護士は次の対応をとった。

①夫に財産を開示させ、財産分与額を計算した。

②夫に対して、有責配偶者の理論を説明したうえで、今すぐに離婚したいのであれば、財産分与・慰謝料のほかに、解決金の上乗せが必要であることを説明した。

③財産分与・慰謝料・解決金の支払いが長期の分割払いとなる場合は、夫が支払いを怠る可能性もあるので、担保的措置(夫の親族による連帯保証、夫の親族が所有する不動産への抵当権の設定等)をとるよう提案した。

⑵ 離婚調停決裂

夫が担保的措置をとることを拒否し、依頼人である妻が長期の分割払いに強く不安を感じていたため、離婚については不同意とした。そして、極力長く、婚姻費用(生活費)をもらい続けることにした。

⑶ 数年後の離婚協議

 夫の定年退職の時期に合わせて離婚協議を再開した。

【離婚協議の結果】

夫の退職金から財産分与と高額な解決金を一括して払ってもらうことになり、妻も納得したため、離婚に応じることにした。弁護士が合意書を作成し、念のため、離婚届は、解決金の入金が確認できた後に提出するという条件にした。  無事に解決金が入金されたため、離婚届を提出し、離婚が成立した。

【弁護士のコメント】

 長く専業主婦でいらっしゃった方、またはパートタイマーなど、収入が低い方は、離婚後に生活していくことができるかが問題となります。

 財産分与や慰謝料の金額を計算し、離婚後の生活をまかなうには不十分な場合は、離婚を拒否し、生活費をもらいながら別居生活を続けていくことも選択肢の1つです。

 もちろん、夫側が有責(不倫や暴力等)であるかどうかによって、離婚が認められるまでの期間も変わってきます。妻側の準備が整っていない段階で離婚せざるを得なくなるという事態にならないよう、夫側が裁判を起こしてくるタイミングや、裁判になった場合の判決の見通しを弁護士が検討し、依頼者とよく相談することが大切です。

 また、離婚するとしても、離婚後に想定外の事態が生じないように、合意書の条項を弁護士がきちんと作成することが重要です。

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