離婚原因の有無が微妙だが訴訟で離婚を成立させた事例
依頼者属性 女性 主婦 40代
相手方属性 男性 会社員 50代
子どもの人数 0人
手続きの種類 裁判離婚
主な争点 離婚原因の有無、財産分与額
【依頼の経緯】
依頼者は離婚したいが、夫は全く応じてくれないということで依頼された。
【当事務所の対応】
依頼時、夫と同居をしているということだったので、すぐに別居するように指示した。夫に受任通知を出したが、離婚には応じないとの回答であったので、直ちに婚姻費用分担調停とともに離婚調停を申し立てた。
夫は調停においても離婚原因がないとして離婚には応じないとの態度を変えなかったので、婚姻費用のみ調停を成立させて、離婚調停は不成立とし、訴訟提起をした。
1審では、離婚原因の有無が最大の争点であったが、離婚は認められた。もっとも、財産分与額は、妻の特有財産が共有財産として判断されてしまい、到底受け入れられる内容ではなかった。夫は離婚を争って控訴し、こちらは財産分与額を争って控訴した。
【結果】
控訴審で、夫の控訴は棄却され(離婚が認められた)、財産分与については、こちらの言い分をほぼ認める形で、1審の判断より大幅に増額された。
【弁護士の一言】
夫婦の間に決定的な離婚原因はなく、妻として、日々の夫の態度が気に入らないとか許せないという程度であり、離婚原因があるかないかは微妙な事案であった。夫から一定期間暴力を振るわれていたという事情もあったが、証拠は依頼者の話のみで一切なかったため、当然暴力については認定されなかった。
早期に別居させて、夫婦としての実体を解消させたこと、離婚原因についてこれといったものがなくても、小さな事情を積み重ねて詳細に主張したことで、離婚ができたものと思われる。財産分与で特有財産と認められたのも、できる限りこれを裏付ける証拠を提出して、裁判官を説得した結果と思う。
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