監護権争いの事案において父親側が監護権を確保した事例
依頼者属性 20代男性
相手方属性 20代女性
子どもの人数 1人
手続きの種類 監護者指定審判等
依頼の経緯
依頼者は出張の多いサラリーマンであったが、依頼者が出張で家を空けると、妻が小学生の子どもを放置して飲みに出てしまい、朝方まで帰宅しないなどの育児放棄といえる状況が続いたため、夫婦仲に亀裂が生じた。
依頼者は何度も妻と話し合ったが、妻は依頼者が出張に出ると、子どもに口止めをして、飲みに出るなど行動を改めなかった。このため、依頼者は子どもを連れて実家に帰り、妻と別居し離婚を求めた。
これに対して、妻は夫による子どもの一方的な連れ去りを主張し、子どもの監護者指定・引渡し審判等の申立てがなされたため、依頼者が当事務所の弁護士に相談をご依頼された。
当事務所の対応
本件では、子どもは、父・母双方に親和しており、母親との別居に大きなショックを見せていた。このため、子どもの生活の負担や精神的な負担をできる限り軽減させ、子どもの福祉を充実させることが監護権の判断に直結することを依頼者に十分説明し、子の生活・就学環境を整備するとともに、母親との面会交流にも柔軟に対応するように依頼者にアドバイスを行った。
この結果、夫の実家での生活環境や就学環境が整備され、別居開始当初は不安定になっていた子どもの心情が安定し、新しい環境で安定した生活を送れるようになった。
結果、夫側の監護権が事実上確保された
裁判所によって子どもの監護状況などの調査が行われたが、子どもの現在の生活状況が安定していること、面会交流により子どもと母親との関係維持が図られていることなどが認められ、夫側で監護されている子どもの現状を変える必要性は乏しいとの調査報告書が作成された。
この結果を受けて、妻側は裁判手続きを全て取下げ、夫側の監護権が事実上確保されるに至った。
弁護士の一言
親権・監護権が争われた場合、統計上は妻側が圧倒的に優勢であり、夫側に厳しい判断が下されることが多いのが実情である。
しかし本件では、父側が従前より家事・育児を積極的に分担していたことや、別居後に子どもの心情に配慮した生活環境を早期に構築できたことが、裁判所の調査結果に一定の影響を与えたと考えられる。
夫側が親権等を確保しようとする場合には、弁護士などの専門家に早期に相談することが重要である。
なお、「親権」とは、親が未成年の子どもを監護・養育し、財産を適切に管理する権利と義務のこと。「監護権」とは、親権のうち、監護・養育の部分のみを指す概念のこと。
親権と監護権の違いは、こちらをご覧ください。
解決事例の最新記事
- 不倫夫に住宅ローン負担させたまま住宅の財産分与を得られた事例
- 長期別居の不倫夫から財産分与と慰謝料の他に高額解決金を取得した事例
- 不倫夫から離婚裁判を起こされた妻が勝訴した事例
- モラハラ夫から高額財産分与と慰謝料や解決金を獲得した事例
- 会社経営者の夫の不貞の証拠をとって財産分与額で譲歩させた事例
- 育児放棄の母親から父親へ親権者変更が審判により認められた事例
- 離婚の財産分与で夫の退職金を仮差押えしてスピード解決した事例
- 有責配偶者側で離婚訴訟を提起し離婚が認められた事例
- 風俗通いの夫との離婚で多額の慰謝料を認めさせた事例
- 離婚はせずに相当額の婚姻費用を獲得した調停事例
- 夫の前妻から訴えられてしまった事例
- 不動産よりも現金を得た方がいいと依頼者に説明して解決した事例
- 妻から円満調停を申し立てられたが離婚を成立させた事例
- 被害妄想の妻からの慰謝料請求を大きく減額した事例
- 妻の離婚後の生活上の負担を減らすことを重視した事例
- DVの事案で調停離婚した事例
- 控訴審で高額の和解金を受領して和解離婚した事例
- 有責配偶者からの離婚請求において早期離婚を成立させた事例
- 有責配偶者から依頼を受け代理交渉により離婚を成立させた事例
- 調停段階で詳細な主張書面を提出し調停を取り下げさせた事例
- 法的手続(保全、調停、訴訟、執行)を最大限利用した事例
- 子どもの福祉を考慮し依頼者である父親が親権を獲得した事例
- 離婚原因の有無が微妙だが訴訟で離婚を成立させた事例
- 調査嘱託を詳細に申立て財産分与を獲得した訴訟事例
- 将来の給与額を考慮した婚姻費用で調停離婚を成立させた事例
- 離婚したくない妻からの依頼で弁護士が夫を説得し離婚を回避した事例
- 審判により監護者が父親に変更されて父親が監護権を取得した事例
- 探偵会社の不倫調査により年収の1.5倍の慰謝料を獲得した事例
最新トピックス・解決事例
-
解決事例2024/07/24
-
解決事例2023/11/16
-
解決事例2023/09/17
-
解決事例2023/09/16
-
解決事例2023/07/25
-
解決事例2023/06/23
-
解決事例2020/03/04
-
解決事例2019/12/09
-
解決事例2019/10/11
-
解決事例2017/09/06