不倫すると離婚できなくなるのか?

不倫相談でときどき「不倫をすると離婚できないのか?」と聞かれることがあります。

不倫した側からの離婚請求は、原則として認められない、というのが裁判所の考え方です。いわゆる、有責配偶者からの離婚請求の話です。

ですが、これにも例外があります。別居して何年にもなる、とか、そもそも不倫した時点で夫婦関係が破綻していた、という場合です。

不倫した人が離婚したい場合と、不倫した人から離婚を求められている場合について、その対応などを弁護士としての考えをまとめました。

1.離婚したい側(不倫した側)からの視点

では、不倫した時点でまだ婚姻関係が破綻していなかった場合、何年も別居してからでないと離婚はできないのでしょうか?

裁判で離婚を認めてもらうのは難しいですが、交渉で離婚に応じてもらう、という方法がありますので、諦める必要はないと考えます。

その際に問題となるのが、やはりお金です。 いわゆる「手切れ金」というものに、相場はありませんが、個々のケースごとに、これぐらいが妥当、と計算することは可能です。離婚が認められるまでに要する別居年数、その間に払わなければならない生活費の総額、裁判で認められる慰謝料や財産分与の推定額などから、「今、離婚に応じた方がお得」と相手に思ってもらえる金額が、妥当な金額だと思います。

上記の計算根拠を相手方にも示し、「今、離婚に応じた方がお得ですよ」と理解してもらうことが重要です。ただし、「不倫して配偶者を傷つけた」という自分の責任を棚に上げてお金の話ばかりしてしまうと、相手の感情を害してしまうので、交渉には細心の注意が必要です。

2.離婚を要求されている側(配偶者に不倫された側)からの視点

不倫した伴侶から離婚したいと言われたとしても、「不倫されたこと自体、絶対に許せない」「お金の問題ではない」という場合は、何百万円何千万円積まれても、断固として拒否すればいいでしょう。

ただ、別居期間が何年にもなると、裁判で離婚が認められてしまう可能性が高まります。それでも断固として戦う、という方法もあります。

他方で、「浮気した相手にはもう愛想が尽きている」「もらうものをもらってさっさと第二の人生をスタートさせたい」と思っている場合もあると思います。

さりとて、低額な手切れ金で離婚に応じてしまい、不倫した側が得をするのもなんかしゃくに障る、という場合は、上記の観点から妥当と思われる金額を計算してみるといいでしょう。裁判で戦った場合よりも有利な金額をもらえるかどうかというのが、一つの指標になると思います。

不倫と離婚について、弁護士としての考えについて述べました。不倫相談の例や有責配偶者の離婚について裁判実務における考え方、不倫した側・不倫された側それぞれの注意点については、「不倫した側(いわゆる有責配偶者)からの離婚請求」をご覧ください。

不倫した側の「離婚できない」や、不倫された側の「離婚したくない」のどちらのパターンであっても、不倫相談は身近で相談しやすい弁護士に依頼することをお勧めいたします。 横浜の弁護士による不倫相談なら、上大岡法律事務所までご依頼ください。

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