離婚相談で弁護士に聞くべきこと
弁護士に離婚相談をしたいときには、基本的に分からないことを聞いたらよいのですが、「何が分からないかが分からない」ため、どのようなことを相談したらよいのか迷うものです。離婚の手続や離婚の可否、お金や子どものこと、離婚裁判やその費用など、離婚問題に強い弁護士が初回の離婚相談のポイントやコツをまとめました。
1.離婚の手続にはどのような方法があるか?
離婚の相談内容として、弁護士が必ず話すことがあります。離婚の手続についてです。
離婚の手続には「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3つがあります。
それを踏まえた上で、次の点を確認するといいでしょう。
- (1)本件では、それぞれの手続にどれくらいの時間がかかりそうか?
- (2)本件では、どの手続で離婚を成立させるのが望ましいか?
2.離婚できるかどうか
よくある相談内容としては、離婚できるかどうかという点があります。
- (1)離婚をしたい場合、相手から拒否されたら、裁判で認められるか?
- (2)離婚を拒否したい場合、相手から裁判を起こされて勝てるか?
弁護士は、離婚の成否について、過去の事例を中心にお答えするようにしています。
3.お金の問題
離婚ができることが分かったらお金の問題が気になります。離婚の相談内容として次に持ち上がるのが、財産分与や慰謝料などのお金についての相談です。
- (1)離婚の際に決めるべきお金の問題にはどんなものがあるか?
- (2)離婚までのお金の問題
離婚までの生活費(婚姻費用)はいくらになるか? - (3)離婚時に精算すべきお金の問題
- ア 財産分与はいくらになるか?
・どのような財産が財産分与の対象になるか?
・財産分与の対象から除外されるのはどのようなものか? - イ 慰謝料は発生するか?
・発生するとして額はいくらくらいか? - ウ 年金分割について
4.子どもの親権や養育費について
子どもがいる夫婦が離婚する場合は、子どもの親権や養育費についての相談があります。
- (1)親権は父親と母親のどちらになるかの見通し
- (2)離婚後の子どもの養育費はいくらになるか?
- (3)相手が養育費を任意に支払わない場合の回収方法
5.総合的な判断
- (1)上記の見通しを踏まえて、どのように離婚交渉を進めていけばいいか?
- (2)調停・裁判をすべきかどうかの見極めはどうしたらいいか?
弁護士に相談すべきことはこのようにたくさんあります。これらの相談内容についてある程度の見通しを納得できるように教えてくれる弁護士が、いい弁護士と言えると思います。きちんと離婚相談に対応してくれる弁護士選びの参考にしてください。
もっとも、時間制限がある場合は別です。例えば、役所で行われる無料相談がその例です。横浜市内なら、県民センター、市役所、各区役所で行われていますが、これら役所の相談は、制限時間が15分~30分と短いです。
弁護士としても、なるべく正確な見通しを伝えて差し上げたいのですが、そのためには事案について正確に把握する必要があります。事案を正確に聴取し、前記の項目全てについて答えるのは、はっきり申し上げて、30分ではとても無理です。
役所の無料相談を利用する場合は、あまり手を広げすぎず、どれか一つのポイントに絞って相談した方がいいかもしれません。あくまでも無料相談は「一つのとっかかり」と考え、自分に不利にならないようにしっかり相談したいと思ったら、法律事務所での相談を利用されることがコツです。
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