調停委員の説明に納得いかない!その2
以前に書いたブログ「調停委員の説明に納得いかない!」の後日談です。
相手方には弁護士はついていなかったのですが、なんと、調停決裂後に相手方から当事務所に電話がかかってきました。
相手方本人曰く、「なんか調停委員の言っていることが理解できなかった、こちらの言い分をちゃんと伝えてくれている感じがしなかった、だから訴訟になる前に一度話したい」とのことでした。よくよく聞いてみると、調停委員から伝えられた相手方の主張が、実は相手方本人はそんなことは全然主張していなかったということが分かりました。
結局、直接の話し合いを何度か経て、訴訟はせずに離婚の話がまとまりそうです。
調停は、双方の主張をストレートにそのまま相手に伝えてしまうと対立が深まってしまうこともあります。ですから、調停委員が、双方の主張をオブラートに包んで、うまく伝えて説得してくれたおかげでまとまった、という場合もあります。
しかし、本件では、オブラートに包むどころか、相手方本人が全く言っていないことを、さも本人が言っていたかのように伝えられ、まさにそれが調停決裂の原因となりました。調停は、あくまでも双方の合意によって成立するものですから、これは、調停委員の権限を逸脱していると言わざるを得ません。
しかも、調停での主張は、もし調停が決裂して訴訟に至れば、「調停でこういう主張をしていた」「こういう事実を認めていた」と訴訟の材料になってしまうこともあります。ですので、本人が言っていないことを本人が言ったかのように伝えるのは、本人の不利益にもなりかねません。
調停は、法律の素人である当事者本人だけでもやりやすい簡便な手続であることがメリットなのですが、疑問に思うことがあれば、役所の無料法律相談でもいいので、一度弁護士にご相談なさってみてください。
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