離婚での強制執行

 

 強制執行とは、例えば金銭を支払えとの判決がなされたのに支払わない場合や、不動産を明け渡すとの調停が成立したのに居座っているという場合に、裁判所に申立てをして、相手の意思に反して強制的に相手の財産(不動産、預金、給料等)から金銭を回収したり、相手を不動産から追い出したりするものです。

 離婚の場合、慰謝料や財産分与、養育費として金銭を払うことを約束したのに支払わないという場合や、財産分与として自宅不動産をこちらが取得することとになり、相手には家から出て行ってもらうことになったのに出て行かないという場合に、これらを強制的に実現することができます。

強制執行をするための条件

 もっとも、強制執行は、口頭での約束や、公正証書ではない書面による合意しかない場合にはできません。 

 強制執行をするためには、判決、裁判上の和解、調停、審判、公正証書などにより、相手が行うべき義務の内容が明らかになっていなければなりません。そうでない場合に強制執行をしようとするためには、改めて調停や裁判を起こす必要があります。

 離婚後の紛争を回避するためには、初めから強制執行が可能な形で合意することが重要です。また、強制執行を見込んで調停調書や公正証書を作成して離婚したとしても、内容が不明確なために強制執行が結局できないということもあるので、弁護士に相談するのが賢明です。

 なお、公正証書により強制執行が可能になるのは、金銭の支払に関してのみであり、かつ強制執行認諾文言が条項に入っている場合に限られるので、注意が必要です(協議離婚の説明をご参照ください)。

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