離婚が認められる事由

 裁判離婚において、相手が離婚を拒否している場合は、法律に定められている離婚の要件を満たさないと離婚は認められません(民法770条1項)。

①不貞行為

 配偶者以外の異性と性交渉をもつことです(いわゆる浮気、不倫)。

 なお、同性と性交渉をもつこと(同性愛)が「不貞行為」にあたるかについて、裁判所の考え方は不明です。ただし、夫が男性と同性愛の関係に陥り、性的関係を繰り返していた事案について、「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるとして妻の離婚請求を認めた判例があります(名古屋地方裁判所昭和47年2月29日判決)。

②悪意の遺棄

 夫婦間には同居、協力、扶助の義務がありますが、これを正当な理由なく守らなかった場合をいいます(大阪地方裁判所昭和43年6月27日判決)。生活費を渡さなかったり、障害者の配偶者を置き去りにして家を出てしまったりする場合(浦和地方裁判所昭和60年11年29日判決)などがこれにあたります。

 別居した場合もこれにあたりそうですが、例えば夫の暴力に耐えられず妻が別居した場合は、妻の別居は悪意の遺棄にはあたらないとした判決があります(浦和地方裁判所昭和59年9月19日判決)。
 

③3年以上の生死不明

 3年以上配偶者の生死が不明な場合です。
 なお、7年以上生死不明の場合には、失踪宣告の申立てを家庭裁判所に行い、裁判所が申立てを認めれば、生死不明の配偶者は死亡したものとみなされます。

④回復の見込みがない強度の精神病

 配偶者が強度の精神病にかかり、かつ回復の見込みがない場合です。
 ただし、判例上では、配偶者が不治の精神病にかかった場合でも、病者の今後の療養・生活等についてできる限りの具体的対策を講じた上でなければ、離婚の請求は認められないとされています(最高裁判所昭和33年7月25日判決)。

⑤その他の婚姻を継続しがたい重大な事由

 夫婦双方が婚姻を継続する意思がないか、または、客観的に見て夫婦関係を修復することが著しく困難である状態のことをいいます。

 暴力、虐待、重大な侮辱、不労・浪費、親族との不和、性格の不一致、疾病、正当な理由のない性交渉の拒否、家庭を顧みることがないほど宗教活動に没頭することなどがこれにあたります。

 ただし、これら事情の一つがあれば直ちに離婚が認められるというわけではなく、子どもの有無や夫婦間の交流の程度など、他の様々な要素も考慮して裁判所が判断します。

 性格の不一致など内心の問題は判定しづらい面もある一方、別居期間が相当長いなどの客観的事情は判断しやすいという側面があります。ですので、暴力や不貞などの決定的な離婚原因はないけれども離婚したいという場合は、早めに別居を開始して、婚姻関係が破綻(はたん)しているという既成事実をつくることが有益です。

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