離婚の決心がつかない段階で弁護士に相談に行っていいのか?

結論から述べると、弁護士によって異なります。

 先日、離婚に関してこんな記事を読みました。

「離婚の決心がつかない段階で弁護士に相談に行ってはダメ。」

 その理由として、記事は次のように書いていました。

  • 「弁護士は、離婚へ向けたアドバイスしかしない。」
  • 「夫婦関係が修復すると、弁護士は商売にならない。」
  • 「修復したいという気持ちもあったのに、弁護士に相談に行くことで、離婚しか選択肢がなくなってしまう。」

 たしかに、この記事のとおりの弁護士も、実際には存在するようです。
 当事務所の弁護士はみな、「その記事にあるような冷たい対応は間違っている」と考えます。記事の内容のことが常識となってほしくありません。

1.弁護士が相談者に対し、離婚を思いとどまるようアドバイスする場合

 当事務所の弁護士は、離婚へ向けたアドバイスだけでなく、修復へ向けたアドバイス、離婚を阻止するためのアドバイスもします。
 場合によっては、相談者ご本人が離婚したがっていても、弁護士から離婚を思いとどまるようにアドバイスすることもあります。

 例えば、50歳代くらいの専業主婦の方で、お金の管理も全て夫任せにしてきたという方について考えてみましょう。

 50歳代で専業主婦となると、再就職はかなり難しいでしょうし、就職できたとしても、それほど高い給料はもらえない可能性が高いです。
 そのような方の場合、

  • (1)財産分与で夫から多額のお金がもらえる、
  • (2)夫の厚生年金の給付額が高く、年金分割をすることによって将来もらえる年金がかなり高い、
  • (3)実家からの援助(または相続財産)が期待できる、

といった事情がない限りは、離婚後に経済的に破綻してしまう可能性があります。

 仮に、財産分与である程度のお金をもらうことができたとしても、家計管理をうまくできない方だと、やはりお金を使い切ってしまって破綻する可能性もあります。

2.何のための離婚なのか?

 離婚はあくまでも第二の人生のスタートです。そして、第二の人生を幸せなものにするためにするのが離婚です。
 なのに、「夫が嫌い!」という勢いで離婚してしまい、離婚後に経済的に苦しくなり、離婚したことを後悔するような事態になったら、元も子もありません。
 弁護士だって、せっかく働いたのに後で依頼者から恨まれるのはイヤですからね。

 ご相談者の方には、離婚後の収支をシミュレーションするようにアドバイスしますし、それができない方に対しては、弁護士が代わりに簡単な収支の計算をして差し上げることもあります。

3.離婚すべきかすべきでないかの判断のために早期の相談が必要

 離婚の際の財産分与や養育費、慰謝料などは、ある程度の水準というものがあります。
 もちろん、交渉で大きく上下することもありますが、裁判になった場合に裁判所が認める額はだいたいこれくらい、という額があるわけです。

 当事務所の弁護士にご相談いただければ、離婚の際にどれくらいのお金をもらうことができるのか、逆にどれくらいのお金を支払わなければならないのか、をアドバイスすることができます。
 そして、離婚後の生活設計が明確になり「離婚してもやっていけそう!」と決心できる場合もあれば、逆に、「やっぱり生活が不安だから離婚はやめておこう。」と思う場合もあるでしょう。
 「期待したほどお金はもらえなさそうだから、離婚の準備に時間をかけて、有利な証拠を収集しておこう!」と考える場合もあると思います。

 離婚するかしないか、は最終的にはご本人が決めるべきことですし、ご自身で決心できないなら、離婚はいったん思いとどまった方がいいと、当事務所では考えます。

 冒頭の記事にあったように、「弁護士は離婚を決心できない方に対して強引に離婚を勧める」なんてことは、当事務所ではありません。
 現に、当事務所に離婚相談にいらした方の中には、相談後に離婚を思いとどまった方も何人もいらっしゃいます。

 離婚するかしないか迷ってらっしゃる方は、お気兼ねなく当事務所の弁護士にご相談なさってください。

 

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