調査嘱託について詳細な申立てをして財産分与を獲得した訴訟事例

依頼者属性 女性 会社員 30代
相手方属性 男性 会社員 30代
子どもの人数 1人
手続きの種類 裁判離婚
主な争点 財産分与額

【依頼の経緯】

 夫に浮気されたから離婚したいということで依頼を受けた。既に調停は依頼者自身で行って不成立で終了していたので、訴訟提起をした。

【当事務所の対応】

 浮気された時点で既に夫婦仲は冷め切っており、離婚については双方に争いはなく、争点は財産分与のみだった。夫が自分名義の財産を開示しようとしないので、夫の勤務先に対する調査嘱託を申し立てて立証していった。

【結果】

 弁護士が申し立てた調査嘱託を裁判所が認め、裁判所から夫の勤務先に対して情報開示の嘱託がなされた。
 夫の会社の人事部から社内預金・将来もらうべき退職金の額を回答してもらい、財産分与の対象としてもらうことができた。その結果、妻は夫から財産分与としてお金をもらうことができた。

【弁護士の一言】

 夫婦共働きなので、夫婦の預貯金額には大差なく、下手をすると、妻が夫に対して財産分与をしなければならない可能性もあり、夫名義の財産の立証が重要であった。

 夫の会社からは、財産分与の対象となる正確な額(別居時点で退職していたらもらえるはずの推定退職金の額から婚姻前の金額を引いた分)を回答してもらうことができ、裁判所は文句なく財産分与の対象としてくれた。退職までに相当の年数がある場合において退職金が財産分与の対象となるか否かについては争いがあるが、調査嘱託について詳細な申立てをしたこと、それによって会社からも精確な金額についての回答が得られたことが奏功したように思う。

 また、既に夫婦仲が悪かったとはいえ、妻は浮気されたことについて峻烈な感情を抱いており、夫が隠していた社内預金・退職金の額を強制開示させることで、いわばぎゃふんと言わせることができて満足していた。

調査嘱託とは

 調査嘱託とは、裁判所を通じて、情報を開示させる制度である。
 例えば、本件のように夫が自分の預金額や退職金の額を任意に開示しないときに、妻本人が銀行・会社に対して問い合わせても、個人情報の観点から銀行や会社は回答してくれない。そのようなときに、裁判所から銀行・会社に対して情報開示を求めるのが調査嘱託の制度である。

 調査嘱託は、裁判所が勝手に問合せをしてくれるわけではないので、まずは当事者が裁判所に対して「調査嘱託をしてください」という申立てをしなければならず、また、申立てをしたからといって裁判所が必ず問合せをしてくれるわけではないので、申立書に詳細な理由を書く必要がある。また、開示を求める対象も、大ざっぱに書いてしまうと、必要な情報が得られなくなってしまう。

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