退職金は離婚の際の財産分与の対象となるか?
Q、夫は上場企業に勤めており、将来もらう退職金は相当な額になると思うのですが、退職前に離婚してしまうと、妻は退職金はもらえないのでしょうか?
夫の退職金を、財産分与としてもらえるのであれば、妻の取り分はどれぐらいの金額になるのでしょうか?
A 原則として退職金も財産分与の対象となって妻も退職金をもらえます。ただし、分与割合は、退職金が将来的に支給される不確定なものであるため、2分の1よりも低い割合になることがあります。
退職金は財産分与の対象となるか?
夫は上場企業に勤めている場合、ある程度確実に退職金が出ることが予想されます。夫の退職金は「給料の後払い」と考えられており、原則として財産分与の対象となります。
財産分与の対象となるのは、配偶者が将来、会社から支給される退職金の全額ではなく、結婚から別居までの期間に相当する分のみとなり、それを基に妻の取り分が計算されます。
退職金の財産分与の割合
財産分与の原則的な割合は2分の1ですが、退職金の場合は、2分の1よりも低い割合になることもあります。なぜなら、退職金は将来、必ず支給されるとは限らないものだからです。
例えば、多くの会社では、解雇の場合は退職金の全額または一部を支給しないと就業規則に規定しています。また、離婚後に会社が倒産してしまうという可能性もあります。
このように、退職金は、離婚の時点で将来もらえることが確定しているわけではない資産なので、退職までに相当な年数がある場合や、会社の規模があまり大きくない場合は、その点を考慮して分与の割合を2分の1よりも減らすことがあるわけです。
そこで、2分の1よりも減らさない代わりに、財産分与の支払い時期を定年退職後と合意する場合もあります。
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